金華ハムは上湯スープには欠かせない材料の一つ。 Agnes Tokio Studioの中華料理クラスでは通常スープをとるところから始めるのは時間的に無理なので、大抵市販の無添加のチキンブイヨンの粉末をベースで省略することが多い。今回は参加したもともと中学からの「美食クラブ」のメンバーの1人であるOさんの都合がついたため、ある程度本格的な上湯スープをベースにキヌガサタケのスープ、小籠包、春雨と肉団子の鍋などを展開するため実験的に使ってみた。金華ハムの輸入は96年以降制限的に許されているが、なかなか手に入りにくい食材でもある。しかも加熱処理したものしか許されていないため、本場の味とはいかないが、古樹軒で購入した冷凍物を使ってみた。 話がそれるが、かの有名なペニンシュラホテルのXO醤だって、香港で買うのと最近三越で買えるようになったそれとでは、この金華ハムの制限によるためにお味は全然違うのである。
さて、上湯スープとは何か。それぞれの店によって作り方は若干異なるかもしれないが、私が知りうる限りでいうと、スープというくくりの中で大別される清湯(チンタン)という澄んだスープと白湯(パイタン)という白濁したスープの前者に含まれる。 清湯は味のレベルによって頂湯(ディンタン)、上湯(シャンタン)、二湯、毛湯などに分かれる。通常のスープに使われる二湯やまた野菜の下煮や混合調味料などのベースになる毛湯などに比べると一線を画して、高級食材を使ってスープの味で決まる料理に使われるものである。 広東料理で主に作られているが、概ね、老鶏とよばれる(メス)の肉が締まった鶏肉、豚の赤身、そして冒頭の金華ハムが使われている。豚の赤身肉とハムを使うことでやや赤みを帯びているのが特徴である。日本の豚肉は中国のものに比べて色が足りないようなので、赤みを加えるために牛肉を使うことも多い。今回は豚は使わず、シチュー用の牛すね肉を少々使った。老鶏も普通には入らないので、比較的肉がしっかりした地鶏の骨付きもも肉と手羽先を使う。 煮込みに最低三時間くらいかけるのみで、実はそんなに手間ではない。素晴らしく良い味のスープが取れたが、通常の家庭料理ではコストとしてはかかりすぎるので、実用的ではないのかも。 この金華ハム、製法がだいぶイタリアのパンチェッタに近い部分があるので、次回はパンチェッタで作ってみようと思う。
by agnestokiostudio
| 2006-11-19 09:32
| Cooking/Food
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